大分県の植生
大分県野生植物地域区分図(荒金1998)では、野生植物が生育する自然環境(地質や地形、気象など)や植生、人との関わりなどを考慮して、県土を18地域に区分しているようです。このサイトに掲載している植物の県内分布は、この区分を用いて整理しています(分布情報は大分県高等植物目録などから引用)。なお、それぞれの地域の植生については、下記に簡易的にまとめています(レッドデータブックおおいた2022から抜粋)。
- 周防灘沿岸域
- 県北部の周防灘に面した遠浅の沿岸地域で、山国川、中津川、寄藻川、桂川などの河口には塩生植物の群落が見られる。
- 姫島・国東沿岸域
- 県北東部の周防灘や伊予灘に面した沿岸地域で、リアス海岸には海浜植物の群落が見られる。
- 別府湾沿岸域
- 県中部の別府湾に面した沿岸地域で、塩生植物や海浜植物の群落、スダジイ林やタブノキ林などが見られ、臨海工業地帯には緑地も広がっている。
- 豊後水道沿岸域
- 県南東部の豊後水道に面した沿岸地域で、黒潮の影響も受けてアコウやビロウなどの亜熱帯性植物が見られる。
- 中津・宇佐低地
- 県北部に広がる低地・丘陵地域で、灌漑用のため池が多く水生植物の群落が見られる。
- 耶馬渓・国東丘陵地
- 県北東部から北西部に広がる凝灰角礫岩地域で、岩場にはアベマキ林やイワシデ林、アカマツ林などが見られる。
- 日田低地・丘陵地
- 県西部に広がる低地・丘陵地域で、アラカシ林やウラジロガシ林、ツブラジイ林などが見られ、スギ・ヒノキ林も広く見られる。
- 大分川・大野川中流域
- 県中部の大分川や大野川などの中流域に広がる低地・丘陵地域で、河川敷にはヤナギ林などの河畔林が見られ、河岸崖地にはアラカシ林などが見られる。
- 豊後水道後背地域
- 県南東部に広がる平地や丘陵地域で、ツブラジイ林やアラカシ林などの常緑樹林が豊富に見られる。
- 大野川上流域
- 県南部に広がる丘陵地域で、ウラジロガシ林、モミ林、ツガ林、ブナ林などが見られる。
- 英彦山・犬ヶ岳山域
- 県北西部の福岡県との県境に広がる山岳地域で、尾根沿いではツガ林やブナ林、谷沿いではシオジ林などが見られる。
- 津江丘陵地・山地
- 県西部に広がる丘陵地・山地域で、尾根沿いではブナ林やミズナラ林、谷沿いではシオジ林などが見られ、スギ・ヒノキ林も広く見られる。
- 玖珠丘陵地・山地
- 県西部の溶岩台地が広がる地域で、クヌギ植林やスギ・ヒノキ林、ミズナラ林などが見られる。
- 由布・鶴見火山群
- 県中部の火山性高原が広がる地域で、高原や湿原には大陸系や北方系遺存植物が見られる。
- 九重火山群
- 県南西部の火山性高原が広がる地域で、高原や湿原には大陸系や北方系遺存植物が見られ、坊ガツル・タデ原湿原はラムサール条約に登録されている。
- 祖母・傾山地
- 県南部の宮崎県との県境に広がる山岳地域で、尾根沿いにはヒメコマツ林やハリモミ林が見られ、祖母・傾・大崩ユネスコエコパークの核心地域及び緩衝地域に指定されている。
- 北川上流域
- 県南部に広がる丘陵地域で、ウラジロガシ林、モミ林、ツガ林、ブナ林などが見られる。
- 石灰岩地域
- 県南東部から南部に点在する石灰岩地域で、常緑樹林が広がっており石灰岩地特有の植物が多く見られる。

なお、レッドデータブックおおいた2022では、大分県自然地域区分図として下記の9地域に区分しているようです。
- 中津・宇佐・周防灘地域(①、⑤)
- 英彦山・犬ヶ岳地域(⑪)
- 日田・中津江地域(⑦、⑫)
- 耶馬渓・玖珠・国東地域(②、⑥、⑬)
- 別府湾岸及び後背地域(③、⑧)
- 九重・由布鶴見火山群地域(⑭、⑮)
- 大野川上流域、祖母・傾山地、北川上流域(⑩、⑯、⑰)
- 豊後水道及び後背地域(④、⑨)
- 石灰岩地域(⑱)
最終更新:2026/2/11
